これまでに野球の投球で重要だとされる下半身や体幹の動作や力について書かれた論文をいくつか紹介しました。
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今回は球が速い人と遅い人の下半身と体幹がバイオメカニクス的にどう異なるのかを明らかにした論文をご紹介します。鹿屋体育大学の研究グループが発表した研究ですね。
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方法
被験者:大学野球選手30名(投手)
30名の被験者を球速から
①球が速い群(134 km/h):fast
②球が遅い群(119 km/h):slow
に分類しました(球が速い群, 遅くね?w)
データ収集
・三次元動作解析
・地面反力
データ収集
・股関節、膝関節、足関節のトルク
・踏み込み脚(ストライド脚)と軸足(ピボット脚)の地面反力
結果(方向の定義、X=サードベース方向[右投手の場合]、Y=投球方向、Z=鉛直)
・fast群はslow群よりも踏み込み脚と軸足それぞれでY、Z及び合力の地面反力の最大値と最小値が有意に高い
・fast群はslow群よりも肩関節最大外旋時とボールリリース時の踏み込み脚に作用するY、Z及び合力が大きい
・踏み込み脚が地面に接地した際の下記の変数はfast群はslow群よりも有意に高い
踏み込み脚の股関節内転トルク
軸足の股関節外転、股関節内旋、膝伸展トルク
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感想
比較的速い球を投げれる人の方が身体に大きな力が作用しています。
地面反力やトルクなどのデータは全て体重で正規化しているようなので、体格の影響はほぼ無いはずです。
踏み込み足の鉛直や投球方向に作用する力が大きいことを考慮すると、力強く踏み込んだ方がいいってことかもしれません
軸足でも同様の傾向が見られるということは、プレートや地面を強く蹴る方がいいのかもしれません
踏み込み脚の内転トルクが高いということは、回転方向に体が体幹が流れないように踏ん張っているような気がします
軸足の股関節外転、股関節内旋、膝伸展トルクは想像通りですね。股関節伸展トルクに差が出ないのは意外。
結果はなんか、当たり前(想像通り)というう感じでしたが、こういう当たり前のことを明らかにすることって大事だと思います。意外と違うかもしれないし。
本文中の考察はあまり読んでいないので、今後しっかりと読もうと思います。