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#41 プロ野球選手における肩甲上腕関節の可動域は肩の怪我のリスクとの関係が深い:論文レビュー


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今年の夏の甲子園も終わりましたね!

 

近年の高校野球は球数や当番間隔などの問題にフォーカスしているように思います。

 

前回は投球数の増加と怪我の関係を明らかにした論文を紹介しました。 

sportsciecne.hatenablog.com

 この論文上では関係はありませんでした。

 

 

今回は投球数とか登板間隔はなどはメインの結果ではありませんが、肩の可動域と怪我の関係を示した論文を書き留めます。その中で試合の当番数にもフォーカスしていました。

 

Correlation of glenohumeral internal rotation deficit and total rotational motion to shoulder injuries in professional baseball pitchers.
プロ野球の投手における肩甲上腕関節内旋不足(?)や全回転可動域と怪我の相関

 

www.ncbi.nlm.nih.gov

 

メジャーリーグの投手122名(2005~2007年)に肩関節の可動域テストを実施しました。

 

肩関節の内旋可動域は肩の怪我と関係があるらしいです。特に肩の内旋が非利き手と比べて20度以上内旋しない人はGlenohumeral internal rotation deficit :GIRDと定義されているようです。GIRDについて詳しくはこちらを参照↓


Glenohumeral Internal Rotation Deficit (GIRD)

 

 

そこでGRIDや肩関節の内外旋のトータルの可動域と怪我との関係を調べたのがこの論文になります。

 

 

結果

・GIRDのピッチャーはそうでないピッチャーに比べ、2倍近く怪我のリスクが高いが統計的有意差は無い。

Pitchers with GIRD (n = 40) were nearly twice as likely to be injured as those without but without statistical significance (P = .17).

 

・肩のトータルの回転可動域が5度違うと(利き手と非利き手で)怪我のリスクが高まる

Pitchers with total rotational motion deficit greater than 5° had a higher rate of injury.

 

・マイナーリーガーはメジャーリーガーよりも怪我をする

Minor league pitchers were more likely than major league pitchers to be injured.

 

・選手が怪我をするときは、メジャーリーグの選手はマイナーリーグの選手よりも多くの試合で当番していた

When players were injured, major league pitchers missed a significantly greater number of games than minor league pitchers.

 

以上になります。

 

 

 

 

 
↑これらは関節可動域の増加に効果あるのかな...?